東北大学の本部機能が入る片平キャンパス。川内(全学部の1~2年生と文系学部)、青葉山(理学、薬学、工学、農学部)、星陵(医学、歯学部)と合わせて、仙台市内に4つのキャンパスを有する

東京大学、京都大学を抜いて、初のトップとなったのは東北大学だった──。3月、英国の教育雑誌、『THE(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)』が毎年集計する「世界大学ランキング日本版2020」が発表されると、大学業界に驚きが広がった。

同ランキングは、①学生1人当たりの資金や教員比率などから教育の充実度を図る「教育リソース」、②学生や高校教員の評判からなる「教育充実度」、③企業の人事担当者や研究者の評価からなる「教育成果」、④留学生の送り出し・受け入れ状況を見る「国際性」の4項目のスコアを合算し、総合順位を算出する仕組み。

東北大の躍進に関しては、④国際性の順位が大きく改善されたことが昨年の3位から順位を押し上げた要因となったが、従来①教育リソース③教育成果の2つは安定して、東大、京大と僅差で争う高スコアだった。高評価の背景に、いったいいかなる魅力があるのか。

看板学部は工学部

仙台市内に4つのキャンパスを構え、約1万8000人の学生が学ぶ東北大。その前身は、1907(明治40)年に設立された東北帝国大学だ。初代総長は当代一の教育家・澤柳政太郎で、「工科大学の新設により、国の工業の基礎を造る」「東京・京都の既設2帝学に対する刺激剤になる」とし、工学技術者の養成に力を入れてきた伝統がある。文系学部は、戦前の22年に設立された法文学部を起源とし、法学部や文学部も名門として知られる。