ほそや・ゆういち 1971年生まれ。立教大学法学部卒業、慶応大学で博士号(法学)取得。著書に『国際秩序』(中公新書)、『歴史認識とは何か』(新潮選書)など。(撮影:今井康一)
週刊東洋経済 2020年5/23号
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新型コロナウイルスが完全に終息する見通しがないまま、今のような不安な状態が続いていく。これが新しい世界を考えるうえでの「ニューノーマル」だ。新型コロナへの初期の対応については、米中ともに挫折を経験した。どちらも国際社会のリーダーとなるための信頼性を失うような行動を取った。新型コロナ以前なら米中関係は修復できたかもしれないが、米国での感染拡大により対中感情が決定的に悪化した現状では難しい。

米国が国際秩序を主導するようになったのには、米国本土で戦争の被害がほぼなかったことが大きい。しかし、新型コロナでは米国の死者数が世界最多だ。経済への打撃も大きい。事態収束へ向けた指導力を示す余裕はないだろうし、その意図も感じられない。