ロシアでも新型コロナウイルスの感染が拡大しており、一般のロシア人にとっては北方領土問題どころではない。しかし、ロシア政界では奇妙な動きが見えている。

4月24日、ロシアのプーチン大統領が「軍の栄誉をたたえる法律」の改正法案に署名した。「第2次世界大戦終結の日」がこれまでの9月2日から、1日遅れの3日になった。この日付の変更には大きな意味がある。ロシア政府が事実上運営するウェブサイト「スプートニク」が、本件法案採択に関し4月14日のロシア国家院(下院)での出来事を報道した。〈ロシア下院は第2次世界大戦の終戦日を変更する法案を承認した。ロシアではこの日は軍の栄誉を称える日とされ、ロシア軍が歴史上重要な勝利を収めた記念となる日の1つとなっている。/これまで第2次世界大戦の終戦日は、日本が無条件降伏文書に調印した9月2日とされていた。しかし、今後はこの日は9月3日に変更される。/法案の考案者によれば、1945年9月3日は旧ソ連では対日戦勝記念日として祝日とされていた。しかし、1947年にはすでにこの日は通常の労働日となり、時間とともに祝日であったことが忘れられていった〉(4月14日付「スプートニク」日本語版)。

多くの日本人は、1945年8月15日に太平洋戦争が終結したと考えているが、国際法的にはその認識は成り立たない。日本が連合国に、ポツダム宣言を受諾し降伏することを伝達したのは、前日の14日だ。日本が降伏の意思表示をしたので国際法的に意味がある。翌15日正午にポツダム宣言受諾の意向を表明する天皇の録音をラジオで放送したのは、前日の事実を国民に伝達する国内的意味しか持たない。国際法的に第2次世界大戦が終結したのは、日本政府代表団が東京湾の米戦艦ミズーリ号の上で降伏調印をした45年9月2日だ。