日産自動車の内田誠社長は、コロナ禍が襲う中での経営再建という難題に挑む(撮影:梅谷秀司)

2020年の世界の新車販売は19年比22%減の6960万台──。調査会社のIHSマークイットが4月末に発表した最新の需要予測は、自動車業界を震撼させた。新型コロナウイルスにより、年間2000万台もの新車需要が消失する異常事態だ。19年の水準に戻るのは早くても22年になるとの見方も飛び交う。

中国では工場の操業度がコロナ以前の水準に戻りつつあるが、欧州や北米、東南アジアでは感染拡大が収束しておらず、5月11日時点でほとんどの工場がまだ休止状態にある。生産停止の長期化を受け、各社は雇用調整を本格化。日産自動車は米国や欧州の工場の従業員計1.9万人を一時解雇し、ホンダは米国で1.8万人の従業員を一時帰休させている。

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企業の業績悪化により、将来の職場復帰を前提にいったん雇用契約を解除することを指す。政府などの失業給付が受けられる。「一時帰休」では給与の一定額を企業が支払い、雇用契約も維持される。

影響は国内生産にも及び、4月以降、国内の全乗用車メーカーが輸出車を中心に生産の一時休止や減産を余儀なくされた。雇用調整助成金の活用などで国内の雇用は守る方針だが、世界的に需要が激減する中で固定費負担が重くのしかかり、今20年度は大幅な業績悪化が避けられない。複数社が赤字に転落する見通しだ。