こうの・りゅうたろう 1964年生まれ。87年横浜国立大学経済学部卒業。住友銀行、大和投資顧問、第一生命経済研究所を経て2000年からBNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミスト。政府の審議会などの委員を歴任。(撮影:尾形文繁)
週刊東洋経済 2020年5/23号
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米ハーバード大学のベンジャミン・フリードマン教授は、南北戦争から2000年代初頭までの米国社会を調べ、経済低迷が長引くと、精神的なゆとりを失い、寛容性や公平性が低下することを示した。ただ、唯一の例外があった。1930年代の大恐慌期だ。

その頃、経済悪化は激しく、格差拡大で社会が不安定化し、暴力的に全体主義や共産主義へ流されかねなかった。だが大恐慌では共同体意識が高まり、ニューディール政策による所得再分配や、立場の弱い人も社会の構成員として取り込む社会的包摂の動きが進んだ。