コロナ異常経済 未曾有の長期停滞時代に突入

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、未曾有の経済停滞が始まっている。世界と日本の経済はどこへ向かうのか。国内主要産業では何が起きるのか。マクロ、ミクロの両面から精査した。

本誌:野村明弘、福田 淳

週刊東洋経済 2020年5/23号
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世界経済は未曾有の停滞へ

事態は、目まぐるしく変化している。

4月上旬時点では、政府の想定は「短期決戦」だった。8割の接触削減を合言葉に、感染拡大を一気に抑え、経済活動に影響を与える期間を最短にとどめようともくろんでいた。しかし、抑制ペースは十分ではないと判断され、短期決戦は返上せざるをえなくなった。

長期戦化によって、自粛を余儀なくされている個人事業主、中小企業の資金繰りは、ますます逼迫する。政府による支援のパッケージは整いつつあるが、手続きに時間がかかる。たとえ、出口戦略がスムーズに進んだとしても、5〜6月の企業倒産は急増する情勢だ。

新興国でも感染が拡大

3月の感染爆発で地獄を味わった欧米主要国も、4月下旬以降は新規感染者が減少。出口戦略も本格化している。ただし、前のめりに経済活動の再開を企図する米国には危うさが漂う。中国での第2波にも警戒が必要だ。ロシア、ブラジル、インドなど新興国での感染拡大も顕在化している。

危機は国境を越えて目まぐるしく連鎖し、深まっていくことだろう。われわれが立っているのは、長いトンネルの入り口なのである。

週刊東洋経済編集部
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