なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

サブプライム問題に端を発する金融システム不安から起きたリーマンショックと違い、今般のコロナショックは需要の強制的な減少により生じている。そのため、現時点では金融システム不安は観察されていない。しかも、あれこれ封じ込め策を講じているのを見ると、金融システム不安にはさせまいとする当局の強い意志が感じられる。いくつか指摘する。

大手米金融機関の2020年1~3月期の決算が出そろった。利益が軒並み、前年同期比で大幅減少となったのは、売上高の減少によるものではなく、貸倒引当金を積んだことによるもの。JPモルガンやシティなど商業銀行を抱える業態を中心に、新型コロナウイルスによる景気低迷に鑑み、前年同期比4~5倍に引当金を増加した。米国では20年1月からCECL(現在予想信用損失)を適用し、実質破綻先への融資で見込まれる損失を従来よりも早期に計上することになっている。

厳しい規制は先送り