フォンデアライエン欧州委員会委員長(左)とミシェルEU大統領以 外はリモート参加のEU首脳会議(提供:European Council)

「イタリアが援助を必要としていたとき、誰もそこにいなかった」「EU(欧州連合)は心からお詫びする」

ドイツ出身のフォンデアライエン欧州委員会委員長は4月16日のEU議会でそう述べた。新型コロナウイルスの感染急拡大でイタリアは最初に医療崩壊の状態に陥り、コンテ首相がEU加盟国に対し医療物資や医療人材での支援を訴えたにもかかわらず、各国が国境を閉ざして応じなかったからだ。

不安の中の封鎖解除

欧州では3月に、イタリアに次いでスペイン、フランス、オランダ、ドイツなどで瞬く間に感染が拡大し、次々とロックダウン(都市封鎖)が実施されていった。人口対比の死者数で見ると欧州の国々は米国と並んで深刻だ。

一方で、経済活動の停滞による倒産や失業が、病気や自殺など人の死を招きうる。だが、感染拡大が終息したとはいえない状況でも、各国は5月に入って徐々に外出禁止令を緩め始めた。医療環境に最も余裕のあるドイツは大型店も含めた営業再開、サッカーの試合再開などを決めた。ただ、なおも1日当たり感染者が1000人、死者が100人出る国もあり、活動再開には不安もある。

経済面での指標を見ると、3月のPMI(購買担当者景気指数)は急落し好不況の分かれ目とされる50を大幅に割り込んだ。とくに、サービス業はユーロ圏で26.4、イタリアで17.4と2008年のリーマンショック時よりも大きく沈んだ。1~3月期のユーロ圏の実質GDP(国内総生産)成長率(速報)は前期比マイナス3.8%(年率換算でマイナス14.4%)で、リーマンショック時を上回る悪化ぶりだった。