文化大革命 人民の歴史 1962-1976(上・下)(フランク・ディケーター 著/谷川真一 監訳/今西康子 訳/人文書院/各3000円+税/上277ページ、下243ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] Frank Dikötter 香港大学人文学院講座教授。檔案館(党公文書館)資料を利用した研究の先駆者で、サミュエル・ジョンソン賞受賞作『Mao’s Great Famine』(『毛沢東の大飢饉』)をはじめとする10冊の著書は、歴史学者の中国に対する見方や認識を変えた。

1958年から61年まで続いた大躍進政策の失敗により、中国は数千万人の死者を出す。この政策で中国の経済は破壊され、農村部は崩壊してしまう。農民たちは飢え・過労と地方の共産党幹部の暴力に苦しみながら命を落としていった。この未曾有の失政により、毛沢東の権威は失墜するのである。

国家的な危機を受けて行われた「七千人大会」で劉少奇や彭真、彭徳懐らをはじめとする多くの党幹部が毛沢東を批判する。本書冒頭はこの緊迫した党大会から始まる。

老練な毛沢東は、巧妙な自己批判と軍幹部の林彪の助けを得て窮地を脱する。しかし、異常なまでに執念深く偏執狂的な老独裁者は、このときの侮辱を忘れることなく、批判者への復讐を誓う。