「捺印のために出社」の愚、見直し必至のハンコ文化 在宅勤務の拡大に伴い電子契約への関心が広がる

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新型コロナウイルスの感染拡大により、捺印のためにわざわざ出社することの是非が問われている(撮影:今井康一)

緊急事態宣言のさなか、捺印のために出社する必要はあるのか──。

フリマアプリを手がけるメルカリは4月8日、契約締結時に必要な捺印や署名の手続きを電子契約サービスに切り替えると発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同社は2月中旬から全社員を在宅勤務に移行させている。社内で行われる契約書の捺印は1カ月に約400件ある。このうち約9割で物理的な捺印が必要で、特定の社員が週に1回、捺印のために出社している。

同社の櫻井由章・執行役員CLO(最高法務責任者)は「ハンコを個人の自宅に持ち帰るのは現実的ではない。契約書を自宅に郵送すると、紛失したり同居する家族が見てしまったりするリスクがある」と話す。

ただ、電子契約は契約の相手先の了承を得られなければ実現しない。「取引先によっては契約書の原本への捺印を義務づける規則がある」(櫻井氏)。そのため、同社は社印の捺印ではなく、権限者の署名や電子署名へ変更すべく取引先の理解を求めている。

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