トランプ氏は科学と情報を「直感」で評価しているようだ(写真:REUTERS/Kevin Lamarque)

新型コロナウイルスの指数関数的な感染拡大は、人々に数学の短期集中コースを提供しているようなものだ。それはまた、システミックリスクのクラッシュテストでもある。最終的な判断を下すには早すぎるが、米国のシステムが大幅な見直しを必要とすることはすでに明らかである。

システミックリスクに真剣に取り組むことは、政治家に求められる究極の資質である。このテストに合格した者は、感染力の強いウイルスの症例がまだ数例しかないときに、都市や国全体を閉鎖することの必要性を知っている。カリフォルニア州サンタクララ郡の保健担当官であるサラ・コーディ氏とニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、新型コロナウイルスに直面した際に、まさにそのような行動をとった。彼らの断固としたリスク管理は、その成果を十分に発揮している。

女性指導者が正しいリスク管理を実施

ドイツのアンゲラ・メルケル首相(物理学者)やアイルランドのレオ・バラドカール首相(医師)が危機管理に成功したことからも分かるように、科学的なバックグラウンドを持った政治指導者がいることも有益なようだ。また、女性指導者が多いことも偶然ではないだろう。

ニューヨーク市のように対応が遅かった地域の死者数は、リスク管理に成功した例と比較してはるかに多い。米国の国家レベルでは、ドナルド・トランプ大統領の対応は悲惨としか言いようがない。この悲劇は、トランプ政権が2018年に国家安全保障会議のパンデミック対応チームを解体することを決定したことに端を発している。

つまり、トランプ氏はパンデミックリスクを理解していなかった。科学と情報に基づいたリスク評価が、効果的な政治的リーダーシップのために極めて重要であることは明らかである。ところが、トランプ氏は習慣的に科学と情報を「直感」で評価しているようだ。