大分県といえば県庁所在地である大分市をはじめ、温泉で有名な別府や湯布院の街が思い浮かぶが、今回は隠れ家的な存在の竹田(たけた)市を紹介しよう。

大分市から鉄道ならばJR豊肥本線で、自動車ならば国道442号を南西に約50キロメートル走ると竹田市に到着する。竹田市は標高250メートルほどの盆地から600メートル程度の高原地域、そして北西部の久住山、大船山など1500メートル以上の山岳地帯まで、起伏に富む。市内には大野川、稲葉川、濁淵川が流れる、自然豊かな街だ。

初めてこの街を訪れたとき、緑のじゅうたんを敷き詰めたようなくじゅう連山の美しい山並みと、市内を流れる清流、そして穏やかで落ち着いた雰囲気を醸し出す古い街並みに心打たれた。

この街のシンボルは岡城だ。「日本100名城」にもその名が記されるこの城は市内の天神山にあった山城で、南北朝時代に大友氏の一族である志賀氏によって整備され岡城と名付けられたという。1586(天正14)年には島津氏の3万7000人の軍勢に対して志賀氏がわずか1000人で立ち向かい、撃退したという逸話も残されている。