福島県の郡山からJRの磐越西(ばんえつさい)線で会津若松に向かう際の車窓の風景は心地よい。磐梯(ばんだい)熱海という温泉町を過ぎると、進行方向右側に勇壮な磐梯山が見えてくる。とくに春先は、雪をかぶった磐梯山の、車窓を額縁にした絵画のような美しさに目を奪われる。

やがて左側に猪苗代湖が登場する。会津若松市、郡山市、猪苗代町にまたがる面積全国4位の大きな湖だ。列車は会津盆地を南に下り、会津若松駅に至る。各駅停車で1時間20分弱。ゆったり走る列車の旅が楽しめる。

しかし到着した会津若松駅は、列車での高揚感が一気にしぼむ殺風景なたたずまいだ。駅前ロータリーだけがやたらに広く、駐車場やレンタカー店、駅前ビジネスホテルなどが点在する程度。街の中心は駅から南下した市役所近辺の東栄町(ひがしさかえまち)・栄町や、古くからの蔵が軒を連ね、観光客でにぎわう七日町付近となる。