輸出車を中心に国内工場の生産調整も相次ぐ。写真は稼働停止当日(4月3日)のトヨタ堤工場(撮影:関口威人)

イタリアが前年同月比85%減、フランス71%減、英国46%減、中国43%減──。これらはいずれも3月の新車販売実績だ。新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界の主要国で自動車の需要が軒並み激減。日本の自動車産業は幾度となく危機を乗り越えてきたが、今直面している危機は過去最大級だ。

累計感染者数が世界最多となった米国では、3月の新車販売が前年同月比で38%減った。米国を主戦場とする日系メーカーの現地販売も総崩れで、トヨタ自動車は37%減、ホンダやSUBARU(スバル)はほぼ半減した。米国は欧州より遅く3月半ばから感染が本格的に広がった。ニューヨーク州など都市部を中心に外出禁止令が敷かれ、多くの新車販売店が営業を休止。4月はさらにひどい数字になるのが確実だ。

新型コロナが世界中で猛威を振るう中、日系自動車メーカーの海外にある生産拠点の多くが操業休止に追い込まれている。最初に感染が拡大した中国ではようやく工場の操業再開にこぎ着けたが、欧州や北米、東南アジアなどの工場は軒並み休止状態にある。

生産停止の長期化で真っ先に影響を受けるのは製造現場で働く従業員の雇用だ。欧米ではすでに各社が雇用調整に乗り出していて、日産自動車は米国や英国、スペインの工場の従業員計1.9万人を一時解雇することを決めた。米国ではホンダが1.8万人の従業員を、トヨタは5000人の期間従業員を対象に、雇用を維持したまま、生産再開まで仕事を休ませる一時帰休に踏み切った。

欧州自動車工業会の試算では、自動車工場の停止によって、ドイツの56万人を筆頭に欧州全体で109万人の雇用に影響が出る見込み。ただ、これはあくまで各国で稼働を13〜20日間停止した場合の数字。実態はこれよりはるかに長い期間で停止するのが確実で、雇用にどこまで影響が広がるか見通せない状況だ。

国内新車販売も大ピンチ