全世界での新型コロナウイルスによる感染者数は4月15日現在で約198万人となり、死者数は約12.7万人に及んでいる(米ジョンズ・ホプキンズ大学集計)。そのうち米国は感染者数が約61万人、死者数が約2.6万人といずれも世界最多だ。

米国内で圧倒的に厳しい状況なのがニューヨーク(NY)州で、感染者は約20万人、死者は約1.1万人に達する。中でもNY市の死者数は同州全体の7割、全米の3割を占める。ここで「医療崩壊」が起きているとの指摘は多い。

ロックダウンの現実

NY州で初の感染者が確認されたのは3月1日だった。7日にはNY州で非常事態が宣言され、22日午後8時からはスーパーや病院、ガソリンスタンドなどの必要不可欠な事業を除き、州内すべての事務所や店舗を閉鎖し、全従業員を自宅待機させる措置が始まった。事実上のロックダウン(都市封鎖)である。

学校も閉鎖され、教会での宗教行事などあらゆる集会が原則禁止された。市民には食料の買い出しや屋外のジョギング、犬の散歩などは認められているが、人との距離を6フィート(約1.8メートル)以上取るよう義務づけられている。現地の映像を見ると、「眠らない街」といわれたNYがまるでゴーストタウンのようだ。

人口約840万人のNY市には日本人も5万人近く住む。大和総研ニューヨークリサーチセンターで研究員を務める矢作大祐氏もその一人だ。

「ロックダウンから3週間が過ぎ、市民の多くは健康であっても、とにかく働くことができないという現実に直面している。人命最優先ではあるが、収入が途絶えれば生活することも難しい。感染拡大に加え、収入面での苦難が市民のストレスになっている」と矢作氏。デブラシオNY市長は、精神面で不調を覚えたときはメンタルクリニックに電話するよう呼びかけている。