(negotiation/pixta)

昨年6月、米ニューヨーク・マンハッタンのオフィス街に、仕立てのいいスーツを身にまとった日本人たちの姿があった。吉田憲一郎社長をはじめとするソニーの首脳・幹部たちだ。

訪れた先は、大型銘柄を次々とターゲットにするアクティビスト、サード・ポイントの事務所。「ソニーの株を15億ドル(約1600億円)分取得した。ついては、経営に関してのご提案を説明したい」との通告に対し、わざわざニューヨークまで出向いたのだ。

出迎えたのは、サード・ポイントを率いるダニエル・ローブ氏。「A Stronger Sony」と書かれた102ページにもわたる資料、通称「ホワイトペーパー」を広げ、分析結果を説明したうえで、「半導体事業を切り離し、“ソニーテクノロジーズ”として上場させるべきだ」と訴えた。

提案は、それだけにとどまらなかった。エンターテインメント事業に注力すべきだとして、金融子会社のソニーフィナンシャルホールディングスや、関連会社である医療情報サービスのエムスリー、そしてオリンパスや音楽配信のスポティファイ・テクノロジーといった保有株の売却も求めた。

サード・ポイントがソニーに要求を突きつけたのは、2013年に続き今回が2回目。13年当時はエンターテインメント事業の分離を求めたが、実現しなかった。その後、サード・ポイントは株を売却したものの、以降もずっとソニーを研究し続けてきたのだ。その証左が、今回示したホワイトペーパーだった。

対話型の交渉が中心に