イスラエル政府は3月15日、新型コロナウイルスの感染者の動向を知るため、カウンターインテリジェンス(防諜)機関「シンベト」(別称、シャバック)が市民の携帯電話の位置情報にアクセスすることを可能とする措置を閣議で了承した。〈ネタニヤフ首相は14日、記者会見で「テロ対策で用いてきたデジタル技術を使用する」と表明。「従来は市民への使用を控えてきたが、(ウイルスとの)戦争において他に選択肢はない。人々のプライバシーを一定程度、侵害することになる」と理解を求めた。政府の要請を受け、司法省もこの措置を了承した。/地元紙ハアレツによると、治安機関は検査で陽性だった患者の携帯電話の位置情報にアクセスし、過去14日間に接触した可能性のある市民を特定して自宅隔離を求めるメッセージを送るという〉(3月17日付「朝日新聞」朝刊)。

テロやスパイ対策の観点から、国民の携帯電話やPCなどインターネットとつながる機材をすべて監視できるシステムをイスラエルは構築しており、それを政府が感染症対策で用いるのは初めてだ。

筆者は外交官時代、外務省主任分析官として各国のインテリジェンス機関と接触していた。とくにイスラエルのインテリジェンス機関、軍の幹部や学者たちと親しく交遊していた。この人脈は現在も維持されている。親しくしていた「モサド」(イスラエル諜報特務庁)の元幹部から3月20日に電話が来た。

──テルアビブの様子はどうか。

「事実上の外出禁止令だ。通院と食料品購入のための外出は認められているが、外に出る人々はほとんどいない」

──15日にイスラエルはスマートフォンを通じて感染者とその接触者を監視する措置を取り始めたが、反発はどれくらい強いか。