大型モニターやタブレットなどは、新しい教育を行ううえでも必須のツールだ(つのだよしお / アフロ)

自治体によって教育への力の入れ方に温度差がある。子どもを持つ親にとっては、自分が住んでいる街や、これから住もうと考えている街が、どれだけ力を入れているかが気になるだろう。

そこで、さまざまな発表資料のデータを基に都道府県や市区の「教育力」を比較した。

教育力を測る指標に使ったのは全国学力調査の結果とデジタル化の進捗(ICTの整備状況)で、都道府県別の数値を「都道府県別 学力状況とデジタル化の状況」にまとめている。

児童・生徒の学力を全国的に把握するため、毎年4月に実施されている「全国学力・学習状況調査」。小学校では6年生を対象に国語と算数のテストが行われている。その都道府県別正答率を掲載した。

新学習指導要領に基づく教育を進めていくために不可欠なICT整備は、文部科学省が毎年、各自治体の状況を公表している。具体的には、教育用PC1台当たりの児童生徒数、普通教室の無線LAN整備率と校内LAN整備率、インターネット接続率、教室への大型モニターなどの整備率、教員の校務用PCの整備率、統合型校務支援システムの整備率だ。なお、数値は小学校だけでなく中学校や高校なども含まれている。

国は2018~22年に年1805億円の予算を確保し、地方財政を経由して整備に取り組む。1人1台のPC端末を実現するGIGAスクール構想もこの延長線上にある。これらの数字からは、どの自治体がその予算を使って教育現場のデジタル化を早くから進めているかがわかる。

一貫校進学率で差

東京都の市区については、中高一貫校の進学率と5年生時の学力調査、デジタル化の進展度を「東京都市区別 一貫校進学率と学力状況」で示した。

公表データから公立小学校の卒業生の都内私立中学校、公立中高一貫校・中等教育学校、国立中学校への進学率を算出。学力調査については、小学校5年生の7月に国語、社会、算数、理科の4教科について都が独自に調査を行っている。教育委員会に情報公開請求し、市区ごとの正答率を入手した。

都心部の区の私立中への進学率と学力調査正答率が高い傾向にある。千代田区は区立の一貫校があるため、公立一貫校への進学率が高くなっている。

最後に、本誌が独自に総合評価した「全国市区別 デジタル化進展度ランキング」の上位と下位各50市区を掲載した。教育用PC1台当たりの児童生徒数など市区町村ごとのデータが開示されている6項目の値を偏差値に換算し、その合計値を総合ポイントとした。対象は814市区で、都道府県立、町村立、組合立等については対象から除外している。

結果、1位は兵庫県淡路市。教育用PCが1人1台以上完備されているほか、軒並み高い数字となっている。2位静岡県御前崎市、3位佐賀県多久市と続く。

一方、整備が比較的遅れているワーストランキングの1位は埼玉県川越市で、2位埼玉県東松山市、3位山梨県笛吹市となっている。

ただこの数字は19年3月1日時点のもののため、それから1年の間に大きく整備状況が改善されている場合もある。