ランド・ポール上院議員。2020年1月27日撮影(REUTERS/Joshua Roberts/File photo)

3月22日、ケンタッキー州選出のランド・ポール上院議員が新型コロナウイルスに感染していることが明らかになった。彼のそれまでの2週間の振る舞いは、新型コロナウイルスへの米国の対応について、何が問題なのかを物語っている。

ポール議員は肺に疾患を抱えている。そのため彼は、注意をする必要を感じ、新型コロナウイルスの検査を受けるべきだと考えた。しかし、検査をしてから陽性との判定を受ける6日後まで、ポール議員は周囲の人々を保護するような対策を何ひとつ取っていなかった。それどころか、彼は他の上院議員に会い、上院の議場で投票を行い、プライベートクラブでゴルフを1ラウンド楽しみ、そして上院プールでのひと泳ぎさえこなしていたのだ。

新型コロナウイルスの大流行を抑え込んでいる国々では、そのように無責任な行動は許されていない。そうした国々では、ポール議員は刑務所行きにさえなっていたかもしれない。彼は新型コロナウイルスについて、自分が罹患していたら大変だから検査を受けよう、と考えるほど心配していたのだ。そうであるならば医師(眼科医)として、誰よりも、自らの行動が周囲にもたらす危険についても配慮すべきだった。

シンガポールや韓国で行われていること

いかなる感染性病原体の伝播を抑えるのにも、積極的な行動が求められる。 新型コロナウイルスほど伝染性が強いものは、特にそうだ。休業したり、社会的距離を保ったりするような防衛措置が効果を発揮するのは、病気の蔓延の先を行く、厳しい組織的努力と組み合わせられた場合のみである。

新型コロナウイルスの感染拡大を止めたシンガポールや韓国、その他の国々では、公共衛生機関が以下のようなシンプルなプロセスを実施してきた。最初に広い範囲でPCR検査を実施する。そして症状が出る前であっても(大半の人は感染しても症状が表れない)感染者を特定した。さらに濃厚接触者の追跡調査が行われ、感染者が関わりをもったすべての人々が14日間の強制的隔離対象となった。

このシンプルなプロセスによって抑え込んだものは、疾病の大流行だけではない。他の国々で用いられたような、過激なロックダウン手法もこれによって回避された。このプロセスの成功は、大量検査、接触者追跡、そして隔離の義務付けだ。成功は、妥協なしの取り組みにかかっている。だが米国は、その全てを行ってこなかった。