テキサス州での予備選挙でも勝利したバイデン候補は指名をほぼ手中に収めた(AP/アフロ)

米民主党の大統領候補者選びが事実上、決着した。序盤の苦戦で「終わった」とみられていたバイデン前副大統領は、南部諸州で次々と勝利。一騎打ちとなっていたサンダース上院議員に獲得代議員数で大差をつけ、サンダース氏逆転の可能性はほぼ消えた。

バイデン氏が盛り返した理由はいくつかある。1つは南部の黒人票だ。中でも下院院内幹事のクライバーン議員の支持表明が大きかった。同氏は黒人政治家の重鎮で、その影響力は南部全域に及ぶ。だが、それ以上に大きかったのは、バイデン氏自身が変わったことだ。

「ジョー(・バイデン)はジョーらしくなかった」。クライバーン氏は、バイデン氏を推薦したくても、なかなか支持表明に踏み切れなかったと明かす。クライバーン氏がバイデン氏を推薦しようとしていたのは、長年の友人だったからだけではない。民主党の平場議員、とりわけ2018年の中間選挙で下院過半数の奪還に貢献した議員には中道派が多いという事情も関係していた。こうした層では、黒人、白人の別なく、民主社会主義を標榜するサンダース氏が大統領候補となることに不安が高まっていた。サンダース氏が候補となれば、トランプ大統領にボロ負けする──。そんな懸念だ。