サウジの「奇策」はロシアを揺り動かすことができるだろうか(写真は左からロシアのプーチン大統領、サウジのムハンマド皇太子)(ロイター/アフロ)

中東最大の産油国であるサウジアラビアの単独行動が原油価格の大暴落を招いた。3月10日、サウジは同国産原油の大幅値下げに加え、生産量を2割増やし日量1200万バレル超にすると発表した。

これまでOPECプラス(石油輸出国機構とロシアなどの非加盟産油国)の会合での取り決めを超える減産を自らに課してきたサウジが、増産姿勢を打ち出した衝撃は大きかった。需給バランスが大きく崩れるとの見方から、WTI原油先物の価格は一時、1バレル=30ドルを割り込んだ。

世界景気の減速懸念と、各国で感染が拡大する新型コロナウイルス影響も加わり、年初に1バレル=60ドル台だった原油価格は直近で40ドル台まで低下していた。3月5~6日に開かれたOPECプラス会合は、協調減産で価格回復を図ることが主眼だった。

しかし、サウジに次ぐ産油国であるロシアが減産協力を拒んだことで、2017年から続いた協調減産はこの3月末で終了することになった。各産油国が自由に生産できるようになるため、需給の緩みが確実視された。追い打ちをかけるように、サウジが値下げと増産をぶち上げたのだから、価格急落は当然だったといえる。