週刊東洋経済 2020年3/28号
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「平日朝のカウンターは水分補給もままならないほど行列が絶えなかったが、今は人を半分に減らしても業務が回ってしまうほどガラガラだ」──。羽田空港に勤務するある航空大手の地上職員はそう語る。

新型コロナウイルスの影響が、航空業界を直撃している。今月16日時点で56の国と地域が日本からの入国を制限。入国後に行動が制限される国・地域は84に上り、海外移動の自由度が低下。業界に吹く逆風は日に日に強くなっている。

3月上旬の羽田空港のチェックインカウンター。感染防止のため、すべての航空会社スタッフがマスクを着けているのが印象的だ(撮影:梅谷秀司)

こうした状況を受け、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は1月末から、徐々に東アジアでの運航規模を縮小。今月からは欧米の路線でも運休を実施している。

ここ数年、ANAとJALは旺盛な航空需要を追い風にして、順調に国際線を拡大してきた。両社の成長を支えたのが羽田空港だ。

羽田は成田空港と比べて都心からのアクセスで勝り、年間を通して高い単価と搭乗率が見込める。羽田便の充実が経営の安定性を高めることから、ANA・JALともに国際線における羽田便の比率を高めてきた。

航空各社から就航や増便に関する要望が相次ぐ羽田は、利用者数ランキングで世界5位に位置する混雑空港。昼間時間帯の「発着枠」に空きがない状況が続いてきた。