「緊急事態宣言」を可能にする法案の早期成立を目指し、野党党首との会談に臨んだ安倍首相(日刊現代/ アフロ)

新型コロナウイルスの国内感染が初めて確認されたのは1月15日だった。2月5日、横浜沖に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での感染が明らかになった。政府は13日、感染症法と検疫法の政令の改正を閣議決定し、14日に施行した。

ところが、感染拡大で検査態勢の不備が問題となる。「ダイヤモンド・プリンセス」への対応でも、政府の姿勢は二転三転した。

安倍首相は26日、大規模イベントの自粛要請を打ち出した。翌27日、全国の小中高の学校に3月2日から春休み開始までの臨時休校を要請した。3月2日には、政府による緊急事態宣言を可能にする法整備を各党に呼びかける。13日に新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正法が成立した。

安倍政権への評価は2つに割れた。世界的な感染蔓延という状況で、日本は何とか持ちこたえていると政府の対応を容認する声もある。一方で、打つ手は後手ばかりで、対策は場当たりという批判も強い。危機管理失格の無能政権という厳しい採点も少なくない。

今回のような疫病大流行の事例は多くはないが、歴史を振り返ると、戦争以外に、大震災やテロ、ハイジャック事件、経済危機、日本周辺での軍事的緊張など、国家的危機と呼ばれる非常事態がしばしば発生している。その場合、国民の対応や世論の動きとともに、時の首相の判断とかじ取りが政治、経済、産業、国民生活など、国全体の命運を左右する。