三田会活動を通じた団結力が慶応優位に影響か(撮影:尾形文繁)

岩崎彌太郎と福澤諭吉との交流もあり、三菱と親密とされる慶応大学。ただ、新卒の採用人数で見ると早稲田大学のほうが多い。

三菱系企業の2017~19年累計の採用者数(大学通信「有名400社就職データ」から。三菱金曜会所属企業でも有名400社に入っていない場合がある)は、早稲田が1224人、慶応が1161人。とくに理工学部が強い早稲田は、三菱電機で167人(慶応は85人)、JXTGエネルギーで58人(同32人)、三菱重工業で49人(同27人)と、研究職を中心に人材を送り込んでいる。

一方、商社、金融といった文系中心の職場で比べると慶応優位の状況が見えてくる。就職人気ランキングでつねに上位に入る三菱商事。慶応の112人に対し早稲田は71人だ。東京海上日動火災保険は慶応が260人(早稲田は216人)、三菱UFJ銀行は慶応が258人(同252人)、三菱UFJ信託銀行は慶応が132人(同101人)だ。

三菱グループ全体への就職者数で劣る慶応だが、慶応の学生数(19年5月現在、学部)は2万8643人と、早稲田の同4万267人よりも約3割少ない。学生数の差を考慮すれば、慶応に軍配が上がるといえそうだ。

役員人事では慶応優位が明らかだ。三菱グループ全役員に占める慶応出身者の比率は15%と、早稲田の10%を上回る。採用者数という母数で勝る早稲田に比べ、出世力が高いのは慶応といえるのではないか。慶応は三菱系各社に三田会の網を張っている。同活動による結束力が、採用、昇進にも影響しているのかもしれない。

写真左:3大グループの役員比率では東大がトップ(撮影:梅谷秀司)。写真右:理系を中心にメーカーなどに早稲田は多い