みやなが・しゅんいち 1948年福岡県生まれ。72年、東京大学法学部卒業後、三菱重工業に入社。2008年に同社常務執行役員、機械・鉄構事業本部長、13年に社長、19年より現職。創業150周年記念事業委員長を務める。(撮影:今井康一)

2020年の今年、創業から150年を迎える三菱。所属企業が経営の独立性を高める今、「三菱」の求心力とは何か。創業150周年記念事業委員長を務める三菱重工業の宮永俊一会長に三菱一号館で聞いた。

(撮影:今井康一)

──三井や住友などほかの旧財閥と比べ、三菱の成り立ちにはどのような特色があると思いますか。

三菱の事業は、明治時代という大変革の時代の夜明けとともに始まった。初めは物流や貿易といった海運業を担い、海運業のバリューチェーンに近い保険、鉱山、金融、造船業などの業界へと事業を広げ、価値を見いだしていく。こうして三菱は、世の中の流れに合わせて短期間で経営を多角化させていった。

(三菱よりも歴史の古い)三井は衣料品、住友は銅鉱業と、江戸時代を通じて安定的な需要の見込める1つの事業を長く続け、じわじわと業容を拡大させてきた。それに比べると、三菱のアプローチは非常にダイナミックで、スピード感があったといえる。

──これまでの仕事で三菱系である利点を感じたことは?

(撮影:今井康一)