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三菱を代表する27社からなる金曜会。銀行から保険、電機、自動車、不動産、商社、石油、素材まで、多種多様な国内主要産業に広がる。三井、住友の企業グループと比較しても、その裾野の広さは三菱ならではの特徴だ。業界ごとの売上高ランキングを見ても、多くの三菱系企業がトップに位置している。

そもそも明治の殖産興業時代、財閥としては新興であった三菱が発展したのはなぜか。経済史が専門の武田晴人・東大名誉教授は、「戦前の三菱は本社が金融機能を担い、それぞれの子会社が事業を担うという役割分担があり、本社を軸にグループで一枚岩になる態勢ができていた。また、現場の情報が本社に上がりやすいなど、事業運営がうまくいっていた」と指摘する。

宮永俊一・三菱重工業会長は「三菱系企業は(社名に冠する)『三菱』というアイデンティティーを共有している。三菱という名で働いているがゆえに、その価値を毀損しないようにという使命感、責任感が生まれる」と話す。業界のリーディングカンパニーであり続ける背景には、確固たる“三菱”アイデンティティーがあるのかもしれない。