週刊東洋経済 2020年3/14号
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「モデルルーム来場者のキャンセルが相次いでいる」。そうぼやくのは大手デベロッパーの幹部。新型肺炎の影響で2月下旬の3連休から来場者が急減した。現地見学会などのイベントの中止も相次ぐ。だが消費者にしてみれば、こうして客足が遠のけば物件価格が下がるのでは、という期待を抱ける。それほどまでに今のマンション市場は過熱している。

東京の胃袋だった築地市場。豊洲へ移転したことで2018年に場内市場は営業を終えた。だが、周辺でのマンション開発は一段と活発化した。築地エリアでは今、マンションだけで5棟が開発されている(記事下図表)。大和ハウス工業と旭化成不動産レジデンスに至っては、モデルルームを開設しているビルまで同じだ。

どのモデルルームでも「周辺のマンションは見学されましたか」と営業担当者が来場者に水を向けるなど、他社の動向に神経をとがらせる。そんな中、この年末年始に突如「白旗」が揚がった。

「販売計画見直しのご案内」。昨年11月、大成有楽不動産のホームページにこんな文言が躍り、「オーベルアーバンツ銀座築地」の販売中止が告げられた。後を追うように、今年1月にはワールドレジデンシャルなどの「レジデンシャル築地」も販売が中止された。いずれのマンションも、資料請求やモデルルームの案内を開始していたにもかかわらず、だ。

同じ現象は東京西部の三鷹市でも起きている。三鷹駅周辺では三菱地所レジデンスなど4社が同時期に分譲マンション販売を行っていた。だが今年1月、JR西日本プロパティーズが「プレディア武蔵野中町」の販売を中止した。

築地と三鷹。2つのエリアのマンション供給動向は、過熱する今のマンション市場を象徴している。

原価高騰が直撃