有料会員限定

不正利用問題の発覚で借りづらくなるケースも 住宅ローン市場に異変

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

フラット35の“なんちゃって不動産投資”発覚を機に広がる包囲網。

住宅金融支援機構の調査では計162件の不正利用が確認された(撮影:今井康一)

特集「マンションの罠」の他の記事を読む

住宅ローン市場に異変が起きている。借りられる額が減ったり、借りにくくなったりする事態が起きつつあるのだ。

発端は2019年5月。長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の不正利用問題が明るみに出たことから始まった。フラット35は、本人または親族が居住する住宅に利用できる住宅ローンで、賃貸経営など不動産投資に用いることはできない。

しかし実際には、自己居住用であると偽ってフラット35を利用し、その物件を賃貸に出すという不正利用が蔓延していた。この手法は不動産業界で、“なんちゃって不動産投資”と呼ばれていた。しかも、購入時に住宅価格を水増しした契約書を作り、過大な融資を受ける事例も見つかっている。

投資用不動産ローンは、住宅ローンに比べ融資の審査が通りにくい。金利も、投資用の年1.5〜4.5%に比べ、フラット35は年1.2%程度と低めだ。このように融資を受けやすく、金利負担が少ないフラット35は投資家にとってメリットが大きい。そこを狙って不正は行われた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
マンションの罠
都心部やターミナル駅至近の物件が上位にランクイン
住宅ローン市場に異変
利息だけ考えていてはダメ
デベロッパーに直撃5|東京建物
「浸水対策」はどこまでできるか
デベロッパーに直撃4|三菱地所レジデンス
「周辺相場より安い」というセールストークの実力は?
PART2 セールストークの本音|おひとりさまに新たなコンセプトを提示
デベロッパーに直撃3|住友不動産
築55年でも1億円、分譲なのに賃貸仕様
中古マンションの選び方
デベロッパーに直撃2|野村不動産
デベロッパーに直撃1|三井不動産レジデンシャル
⑦管理|業界団体も本腰を入れ始めた
インタビュー/マンション管理業協会 理事長 岡本 潮
ご意見番に聞く、マンションの選び方1
ご意見番に聞く、マンションの選び方2
⑥立地|郊外マンションの現実
⑤価格|お宝物件の見つけ方
④モデルルーム|1000件超を訪問してわかったこと
③設備|「こだわりすぎ」とは言わせない!
②広告|違法でなければいいのか?
PART1 7つの購入チェックポイント|①広さ
マンションの罠
デベロッパーの売り方、全部バラす!
「初月契約率」は役目を終えた?
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内