住宅金融支援機構の調査では計162件の不正利用が確認された(撮影:今井康一)

住宅ローン市場に異変が起きている。借りられる額が減ったり、借りにくくなったりする事態が起きつつあるのだ。

発端は2019年5月。長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の不正利用問題が明るみに出たことから始まった。フラット35は、本人または親族が居住する住宅に利用できる住宅ローンで、賃貸経営など不動産投資に用いることはできない。

しかし実際には、自己居住用であると偽ってフラット35を利用し、その物件を賃貸に出すという不正利用が蔓延していた。この手法は不動産業界で、“なんちゃって不動産投資”と呼ばれていた。しかも、購入時に住宅価格を水増しした契約書を作り、過大な融資を受ける事例も見つかっている。

投資用不動産ローンは、住宅ローンに比べ融資の審査が通りにくい。金利も、投資用の年1.5〜4.5%に比べ、フラット35は年1.2%程度と低めだ。このように融資を受けやすく、金利負担が少ないフラット35は投資家にとってメリットが大きい。そこを狙って不正は行われた。