しばた・たかし 1956年生まれ、創業家出身。81年川崎医科大学卒業。外科医として大阪府立成人病センター(現大阪国際がんセンター)などに勤務。98年に大幸薬品取締役就任。副社長を経て、2010年から現職。(撮影:尾形文繁)
新型肺炎の影響で、感染症に対する意識は高まる一方だ。そんな中、正露丸で有名な大幸薬品では“空間除菌”をうたい第2の柱として育成してきた「クレベリン」が業績の牽引役になっている。2014年には有効性の表現に対し消費者庁から「根拠が乏しい」と指摘を受けた。現在の状況をどう捉えているのか、聞いた。

──「クレベリン」ブランドの売上高は20年3月期、前期比4割増の見込みと急拡大しています。

大黒柱の正露丸の販売は右肩下がりが続いていた。念願の上場(09年3月)を果たすためには2本目の柱が必要だと思い05年から力を入れ始めた。大きかったのは、18年に行ったマーケティング改革だ。製品デザインや広告を、消費者に一目で伝わるものに刷新した。以前は除菌剤として職場や家庭で隠されるように隅に置かれていたクレベリンが、今はインテリアに近い位置づけになっている。新型肺炎前の19年4〜12月も、売上高は前年同期比9割伸びている。