イラスト:髙栁浩太郎

リーマンショック以降、世界経済は順調に拡大しており、ボトムからの比較ではダウ平均株価は約4倍に、日経平均株価は約3倍に上昇した。筆者はリーマンショック直前に多くの銘柄を売却し、底を打ってから投資を再開したが、そのときに投資した銘柄は総じて2〜4倍に値上がりしている。過去10年は、100年に1度という危機と、そこから脱却するプロセスだったので、シナリオを考えるのもそれほど難しくなかった。だが2020年代はその常識が通用しなくなる可能性が高く、投資の難易度は上がるだろう。

投資で成功するためには、マクロ的な経済状況をしっかり押さえておくことが重要である。何事もそうだが、各論から入ることほど危険なことはない。まずは全体の状況を把握し、そこから個別商品に落とし込んでいかないと致命的なミスをする可能性がある。

過去10年の世界経済は、基本的に好調な米国経済が世界をリードするという図式が続いてきた。リーマンショックは確かにたいへんな出来事だったが、これはサブプライムローンが引き起こした金融危機であって経済危機ではない。つまり金融市場にとっては大打撃だが、米国の実体経済はリーマンショックの前も後も順調そのものである。この点について勘違いした人は多く、リーマンショック後の株価高騰を予見できず投資チャンスを逸してしまった。