(denkei / PIXTA)

船舶への過大投資の後遺症に苦しんできた大手海運3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)の業績が、落ち着きを取り戻しつつある。2020年3月期第3四半期連結決算では、前年同期に赤字だった日本郵船、川崎汽船が最終黒字に転換。商船三井は第3四半期の最終利益を前年同期比倍以上に拡大させた。「各社とも赤字契約の縮小により、ベースの利益が切り上がっている」と、姫野良太・JPモルガン証券アナリストは指摘する。

19年3月期までの過去10年における連結純損益の赤字額は3社合計で7000億円を超え、それ以前の10年間に稼いだ利益の4割以上を吐き出した。ただ、各社ともここ数年にわたり、多額の費用を計上してばら積み船の期限前返船などのリストラ策を実施。「市況に連動する契約が縮小した分、大きく儲けたり、損したりすることがなくなり、業績が安定しつつある」(姫野氏)。

国際競争の激しいコンテナ船については各社単独のままでは太刀打ちできないことから、18年4月に事業を統合。「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」が発足したが、初年度は統合の混乱から6億ドル近い赤字に沈んだ。20年3月期は規模拡大のメリットを生かした運航計画の見直しなどの効果が表れ、19年12月末までの3四半期にわたって黒字決算が続く。第4四半期は新型肺炎拡大による荷動きへの悪影響が懸念されるが、統合効果は維持されているようだ。