日本郵船が発表した脱炭素化の実現に向けた環境コンセプト船「NYKスーパーエコシップ2050」。再エネ由来の液化水素燃料電池を使用する(提供:日本郵船)
週刊東洋経済 2020年2/22号
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地球温暖化への対策が急務となる中で、海運や船舶のあり方が大きく変わろうとしている。100年以上にわたって主流となってきた重油などの石油系燃料から、温室効果を持つ二酸化炭素(CO2)の排出が相対的に少ないLNG(液化天然ガス)への転換が急速に進みそうだ。その先は、水素やアンモニアといった、CO2を排出しない燃料や、風力など再生可能エネルギーの利用も視野に入りつつある。

国際海運のルールを決める国際海事機関(IMO)は2018年4月に「温室効果ガス削減戦略」を採択し、「今世紀中のなるべく早期に、国際海運からの温室効果ガス排出ゼロを目指す」との目標を取り決めた。

その際、30年時点での目標として「08年比で単位輸送量当たりの温室効果ガス排出量の40%以上削減」に加え、50年時点での「国際海運全体での温室効果ガス排出総量の50%以上削減」(単位輸送量当たり温室効果ガス排出量の80%以上削減に相当、08年比)という数値目標が決まった。

エンジンの出力制限など30年目標達成に実効性を持たせるための具体的な規制内容については現在、日本やデンマーク、中国などが具体案を持ち寄りIMOの専門委員会で議論を続ける。30年目標については、「現在、考えられている対策でクリアできる」(大手海運各社)とみられている。一方、50年目標の達成については、越えねばならないハードルが多い。だが、どのようなルールが導入されるにせよ、既存の船舶を今までどおり運航させることは困難になるうえ、新たに建造される船舶についても燃料の転換が不可避だ。

(写真上)商船三井が設計について基本承認を取得した硬翼帆式風力推進装置を備える船。石炭船への導入に向け東北電力と検討(提供:商船三井)
(写真下)川崎汽船が発表した風力利用の装置。欧エアバスの技術を導入し2021年末に大型ばら積み船に搭載。20%以上のCO2削減(提供:川崎汽船)

LNG燃料船建造相次ぐ