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高まる人気の陰で休止航路も、国内フェリーは激動の時代へ トラック運転手不足・レジャー多様化で需要増

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手軽に楽しめるフェリー旅が各地で人気だ。一方、宇高航路は姿消す。

北海道や九州へマイカーで出かけることができる長距離フェリーの人気が上昇中だ。かつて「大部屋で雑魚寝」のイメージが強かったフェリーの旅。最近は船内設備も充実し、クルーズ船のような優雅な気分を手軽に味わえるとあって、幅広い年代の旅行客から再注目されている。

名古屋鉄道グループの太平洋フェリーが2019年1月に仙台─苫小牧間で運航を開始した新造船「きたかみ」は、同社で初めて大部屋タイプの客室を廃止した。担当者は「船のコンセプトとしてプライベートを重視した」と話す。

従来の船にあった大部屋の「2等和室」を廃止し、客室をすべて個室またはカプセルホテルのようなベッドに変更。トラック運転手専用のドライバーズルームも扉に鍵が掛けられる個室タイプに。ペット連れの旅行需要に対応した「1等ウィズペット」が好評だ。

大部屋を廃止した「きたかみ」では、トラック運転手向けのドライバーズルームも個室化して快適性を高めた

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関西と九州を結ぶ航路でも新造船が人気だ。商船三井グループのフェリーさんふらわあは18年5月、大阪南港─志布志(鹿児島)航路に「さんふらわあ さつま」を就航させた。こちらも個室を大幅に増やしたのが特徴だ。全個室にシャワーとトイレを備えた。バスタブや専用バルコニーがある最上級客室の「スイートルーム」を新設。パブリックスペースやレストラン、展望大浴場を従来船よりも広くして快適性を高めた。3層吹き抜けのエントランスホールで実施するプロジェクションマッピングは乗客からの評判がよいという。

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