水先人を運ぶ小型船。水先人が乗り込まないと、海難事故発生率は9.7倍になるとの調査も(撮影:くぼ こまき)

「将来は『水先人』になりたい」──。若い航海士から大型船の船長まで、多くの船乗りたちが将来の目標をこう答える。

水先人とは、船が出入港する際に船に乗り込み、船長を補佐する職種だ。多数の船が行き交う港を航行する際、事故や天候に左右されて予定どおりの出入港ができない可能性がある。そのため、該当の水域(水先区)に所属し、その特徴を知り尽くす水先人が船に乗り込み、世界中からやって来る船の船長に着岸までの安全な航路を指示する。水先人が船長に代わって船を操舵する場合も多く、船長を超える存在として船乗りの間で尊敬を集める存在となっている。