ターミナル管理棟の遠隔操作室でRTGを操るオペレーター。1人で複数台の操作ができる

ゲーム機のコントローラーを思わせるスティックとディスプレーが机上に並ぶビルの一室。画面を真剣な目で見つめるオペレーターが操るのは、むろんゲームではない。「RTG」(ラバータイヤ式ガントリークレーン)と呼ばれる巨大な門型クレーンを遠隔操作し、トレーラーへのコンテナ積み降ろし作業を行っているのだ。ここは、名古屋港の飛島埠頭(愛知県飛島村)に位置する「飛島埠頭南側コンテナターミナル」。IT化が進む同港を代表する、日本の港で唯一の「自働化ターミナル」だ。

自動化ではなく、「ニンベン」が付く自働化。単なる機械化ではないという意味だ。「自働化は作業を平準化するための道具」と話すのは、船舶・港湾運送・陸運10社が出資する同ターミナルの運営会社、飛島コンテナ埠頭(TCB)の広報担当者。「平準化で高いサービスを提供できる」という。

船へのコンテナ積み降ろしを行うクレーンはオペレーターが運転席に乗り込むが、ほかの作業はほぼ自動。遠隔操作で行うトレーラーへの積み降ろしも、コントロールが必要なのは一部の作業のみで、1人で複数のクレーンを動かせる。

ヤード内のコンテナ移動は完全に自動だ。RTGがコンテナを吊り上げ、無人走行のAGV(自働搬送台車)に搭載して目的の場所へと運ぶ。各機器は全体を統括するシステムが稼働率などの情報に基づいて制御。作業を満遍なく割り振る「平準化」によって、無駄な動きをなくし作業時間の短縮につなげている。

無人走行でコンテナを運ぶAGV(自働搬送台車)。TOYOTAのロゴが見える。停止位置のずれは最大でも25ミリメートル以内だ(©名古屋港管理組合)
ヤード内でコンテナをAGVやトレーラーに積み降ろすRTG(ラバータイヤ式ガントリークレーン)。自働化は世界初だった(©名古屋港管理組合)
週刊東洋経済 2020年2/22号
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