しまむらが異例の社長交代、業績回復へ険しい道のり 鈴木新社長は客離れに歯止めをかけられるか

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現在約2200店を展開。新社長となる鈴木氏は「集客の回復を最優先し、21年度以降はアイテムの拡充を検討する」とした

わずか2年でのトップ交代である。アパレル大手のしまむらは1月27日、社長交代を発表した。2月21日付で現・取締役の鈴木誠氏(54)が社長に昇格し、北島常好社長(61)は代表権のない会長に就く。

新社長になる鈴木氏は物流やシステム関連の部門で要職を歴任し、18年からは企画室長を務める。社長交代発表後、取材に応じた鈴木氏は、「社長と会長の2人体制で商品力強化などを進め、集客回復に努めたい」と語った。

しまむらでは社長任期の規定はないが、前社長の野中正人氏の在任期間は13年弱、2代前の社長を務めた藤原秀次郎氏は15年と、長期政権が続いてきた。それと比べれば今回は異例の早さでの交代だ。

唐突なトップ交代の背景にあるのが、業績の低迷だ。低価格と雑多な品ぞろえを武器に成長したしまむらは、「裏地あったかパンツ」などのPB(プライベートブランド)商品が大ヒットした16年度に売上高と営業利益が過去最高を記録。だが、その後はヒット商品が生まれず、売り場整理の過程でのアイテム数の絞り込みも裏目に出て、顧客離れを引き起こした。

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