タイで人材紹介業をやっている日本人と久しぶりに会うと、浮かない顔をしていた。「最近業績が落ち込んでいる」と言うので、てっきり「タイ経済の不振」や「日本企業の進出減少」が理由かと思ったら、その原因は意外なものだった。「タイ人が約束を守るようになった」と言うのだ。

何が不都合なのかと不思議に思いながら話を聞いた。この会社が創業した20年以上前、タイに進出した日本企業から「急に従業員が辞めると言い出して人手が足りない」という悩みが多く寄せられ、その対応を迅速に行うことで業績を伸ばしてきたという。すぐに約束を翻す、何も言わずに突然来なくなるといったタイ人の気質と日本人の感覚のギャップを埋めるビジネスモデルが当たったのだろう。