右のモニターを見ながら、超音波内視鏡を十二指腸まで入れていく。左のモニターには膵臓の様子が映る

「膵臓(すいぞう)がんの患者を診るのは、敗戦処理の投手」とある医師が言った。膵臓がんステージ4の5年生存率はわずか1.5%だ。

手の施しようがなかった膵臓がん治療に、いまブレークスルーが起きている。それは、「超音波内視鏡検査」によって微小な膵臓がんを早期発見する、新たな取り組みだ。

がん・感染症センター東京都立駒込病院。膵臓がん治療の第一人者・菊山正隆医師(消化器内科部長)の元に、海外の医師たちが超音波内視鏡検査の診断技術を学ぶために訪れている。

モニターを見ながら、菊山医師は超音波内視鏡を胃の先にある十二指腸まで入れていく。そして、別のモニターの画像を注視しながら、超音波のスイッチを入れる。すると、断層像の影が浮かび上がった。およそ20センチメートルの膵臓である。