(Ranta Images / PIXTA)
週刊東洋経済 2020年2/15号
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患者にとって、役に立つ医療とは何か。現在行われている医療は、本当にエビデンス(科学的根拠)があるのだろうか。

こうした問題意識の下、「チュージング・ワイズリー(Choosing Wisely 賢い選択)」という運動が米国で広がっている。検査、投薬、手術、看護など医療の各分野で、本当にそのやり方は正しいのかを客観的・科学的に判断し、ムダな医療を減らそうとする社会的なキャンペーンだ。2012年に始まり、今や北米から欧州、南米、アジア・オセアニアにまで広がる。

とくに米国では医療界に浸透し、その見解が尊重されるようになっている。浸透したのは、米国の専門医が集まるそれぞれの医学会が率先して活動を進めたためだ。

医師の専門資格を認定する米国内科専門医認定機構(ABIM)の下部組織で、医療の効率化施策を進める「ABIM財団」が中心となり、がん、循環器、整形外科、小児科、産婦人科、精神医学、眼科、耳鼻咽喉科などの主な医学会が、必要性の疑われる医療のリストを次々と公開していった。

さらに、医師の団体ばかりではなく、歯科、看護、薬学、理学療法、作業療法、カイロプラクティックという、医療関連の幅広い団体が加わった。

チュージング・ワイズリーでは約80の団体が、約550の項目(医療行為)について、ムダな医療だと報告している。

本稿では、受けたくないムダな医療について50を選び出し、表にした。米国で「ダメ出しされた医療」が日本では依然として通用していることがある。その一端を紹介していこう。

いらないがん関連の医療