1月20日、記者会見する鐘南山医師。新型肺炎が人から人に感染していることを明言した(AFP/アフロ)

新型肺炎への対応をめぐって、中国で鐘南山という83歳の医師が大きな存在感を放っている。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)禍で中央政府の見解に体を張って反論し、感染の拡大を阻止した人物だ。 

「人から人への感染があるのは間違いない」。1月20日、政府の新型肺炎緊急対策チーム長として武漢市を訪れた鐘医師は中国中央テレビ局にこのように明言した。当時、政府はまだ「感染源は市場で売られる動物で、人から人への直接の感染は確認されていない」との立場だった。鐘医師の発言で状況は一変、即座に武漢市の事実上の封鎖など大胆な政策が次々と実行された。「実は鐘医師は何日も前から中央政府に武漢市の封鎖を建言していたが、握り潰された」との噂も根強くある。

鐘医師とはどのような人物か。