2019年9月13日、内閣情報官だった北村滋氏が国家安全保障局長に就任したとき、一部の外務官僚は「北村は外交の素人なのでこの仕事をする基準に達していない」という情報を流した。あれから5カ月近く経ったが、現在、そのような批判はまったく聞かれない。北村氏が外交において、成果を出しているからだ。

まず中国との関係で、北村氏は成果を出した。19年12月6日、北京市内で北村氏は中国の王岐山国家副主席、楊潔篪(ようけつち)共産党政治局員とそれぞれ会談した。〈9月に局長に就任した北村氏の初訪中となり、年末に控える安倍晋三首相の訪中や来春の習近平国家主席の国賓訪日に向けて、必要な準備を進めることを確認した。/王氏は、「習主席も北村局長の訪中を重視しており、私に直接、会見するよう指示があった。習主席の訪日が成功すれば、中日関係に大きな意義がある」とあいさつ。北村氏は「日中関係は極めて緊密なものになっている。安倍首相訪中、習主席訪日に向けた課題を話し合いたい」と応じた〉(19年12月7日付朝日新聞朝刊)。

谷内正太郎・前国家安全保障局長(元外務事務次官)が会えたのは楊潔篪氏までで、その上の王岐山氏と会うことはできなかった。習近平国家主席が国賓として来日するに当たって、日中両国は合意文書を作成することになると思うが、そこでも北村氏が重要な役割を果たすだろう。