お笑い芸人・ファイナンシャルプランナー さんきゅう倉田
さんきゅう・くらた 1985年生まれ。大学卒業後、東京国税局を経て、お笑い芸人に。吉本興業所属。国税局では主に法人税の税務調査を担当。(撮影:吉濱篤志)

消費税と並び、日本の税収の30%以上を占める所得税。給与などにかかり、最も身近といえる税が、今年大きく変わった。

会社員やパート・アルバイトのような給与所得者は、「給与所得控除」という控除が受けられる。経費が認められる個人事業者との調整のためにあるといわれているが、この金額が減額された。

給与所得控除の金額は、収入によって異なる。例えば、収入が180万円以下ならば、収入の40%が給与所得控除の金額となる(65万円に満たない場合は、65万円)。収入が増えれば、給与所得控除の金額も増えていき、1000万円を超えると上限の220万円に達する。これが、10万円から最大25万円減額された。

控除が減れば、納める所得税は増える。控除が10万円減れば、所得税率が5%なら5000円、10%なら1万円の負担増だ。しかし、今回の改正では、基礎控除が10万円増額された。ほとんどの給与所得者は、給与所得控除が10万円減り、基礎控除が10万円増えるので納税額に影響はない。

しかし、改正によって負担が増えることがある。それが、年収が850万円を超えている場合だ。

従来は、年収が1000万円を超えると、給与所得控除は一律220万円とされていた。これが、2020年からは年収が850万円を超えると、一律195万円となった。基礎控除は10万円増えても給与所得控除が25万円減れば、大きな負担増となる。

さらに、高所得者は、基礎控除の金額が引き下げられた。給与所得者に限らず、所得が2400万円以下の人なら48万円だが、2400万円超2450万円以下なら32万円、2450万円超2500万円以下なら16万円、2500万円超になるとゼロになる。

18年の民間給与実態統計調査によると、年収900万円以上の給与所得者は6.9%、男性だけに限ると10.5%で、改正によって少なくとも342万人に影響がある。記事下図でいくつか例示したので、参考にしてもらいたい。

フリーランスには恩恵