財団設立・M&A

富裕層の節税対策封じが厳しさを増しているとはいえ、選択肢がなくなったわけではない。今どきの富裕層はどのような節税対策を講じているのだろうか。

「超」がつく富裕層に有効なのが公益法人を設立するスキームだ。公益法人とは、一般財団法人や一般社団法人を設立した後に、内閣府や自治体にその公益性を認定されたものを指す。

著名人では、ワタミの渡邉美樹氏が「School Aid Japan」など少なくとも3つの公益財団法人を創立、ZOZOの創業者、前澤友作氏は「現代芸術振興財団」を創立している。

なぜ公益法人が節税に有効かというと、公益法人で出た利益には原則として法人税がかからないからだ。また、財団に対し寄付をした場合も収入から控除されるため、課税所得が減る。さらに、財団に相続財産を寄付した場合にも相続税がかからない。上場企業の株式を相続したとき、相続税を支払うために株を売却するといった事態も避けられる。株を財団に渡して大株主(安定株主)になってもらったほうがよいという考え方だ。とくに上場企業オーナーにとっては非常に使えるスキームだ。

例えば、会計事務所向けの情報支援サービスを手がけるTKCは、大株主の第1位に「公益財団法人飯塚毅育英会」(持ち株比率14%)、第4位に「公益財団法人租税資料館」(同5.7%)が名を連ねる。TKC創業者のカリスマ、飯塚毅税理士が、当時、最も合理的な節税だと判断したのだろう。