昨年12月25日、厚生労働省が年金制度改正案を示した。昨年8月に公表された5年に1度の公的年金の財政検証を受けたもので、政府が今年の通常国会に関連法案を提出する。

財政検証については昨年10月26日号の当欄でも触れたが、所得代替率50%以上を維持できる可能性は高いとしていた。加えて、「被用者保険のさらなる適用拡大」、「保険料拠出期間の延長」、「受給開始時期の繰り下げ」を行えば、保険料を引き上げなくても所得代替率を10〜11ポイント引き上げられる改善策を示していた。

適用拡大は「一石五鳥」

これらの改善策で私がとくに有効だと考えるのは適用拡大だ。日本の公的年金は自営業者向けの「国民年金」(月平均6万円前後)と被用者向けの「厚生年金」(月平均20万円前後)の2本立てとなっている。ただ、約5700万人いる被用者の中でパートやアルバイトを中心に約1300万人が国民年金に追いやられている。適用拡大とは、この1300万人を国民年金から厚生年金に移す政策で、「一石五鳥」の効果がある。