アマゾンのNY市での事業拡大が、企業誘致策不要論を後押ししている(ロイター/アフロ)

米ニューヨーク(NY)にハイテク企業の集積が進んでいる。最近ではアマゾン、グーグル、フェイスブック、ネットフリックスといった企業が、競うようにNYオフィスの拡充を急いでいる。皮肉なことに、こうしたNYの成功体験は、自治体による企業誘致策の不要論につながっている。きっかけとなったのがアマゾンだ。

アマゾンは昨年2月、NY市に新設を予定していた第2本社(HQ2)建設を断念すると発表した。税制上の優遇措置など、総額30億ドルという巨額の誘致費用に対する住民の反発が理由だった。そのアマゾンが昨年12月、NYのマンハッタン内で新たなオフィスの賃貸契約を結んだ。マンハッタン周辺に約5000人の雇用を持つ同社は、新オフィスの開設で1500人の雇用増を見込む。

市が巨額の誘致策を用意したHQ2と異なり、今回の契約に際してNY市は特別な誘致策を提供していない。これでは誘致策不要論が盛り上がるのも無理はない。HQ2反対の急先鋒だった民主党のオカシオコルテス下院議員は、「どのみちアマゾンはNYにやってきた」と得意げにツイートしている。