日本福祉大学 福祉経営学部教授 藤森克彦(ふじもり・かつひこ)1965年生まれ。長野県出身。国際基督教大学教養学部卒業。同大学大学院行政学研究科修士課程修了。日本福祉大学にて博士号(社会福祉学)取得。2017年から現職。みずほ情報総研主席研究員も務める。専門は社会保障政策。著書に『単身急増社会の希望』など。(撮影:尾形文繁)

「幸福で健康な人生には何が必要か」。米ハーバード大学が75年間にわたり724名の人生を記録した研究結果によると、それは富でも名声でもなく、家族、友人、コミュニティーとのつながりであるという(2015年11月TEDでのロバート・ウォールディンガー教授による講演)。

近年、日本では、生きづらさやさまざまな生活上のリスクを抱える個人や世帯が増えている。この背景には、地縁、血縁、社縁といった共同体機能が脆弱化する中で、社会的に孤立して、他者とのつながりが乏しい人が増えていることがあるのだろう。

例えば、孤立している単身高齢者は、電球の取り換えや病院通いといった身近な生活課題への対応が困難だ。同居家族がいれば対応できることが、孤立した単身高齢者には生活上のつまずきとなる。