国交省は高速道路の暫定2車線区間の解消を悲願としている(毎日新聞社 / アフロ)

かつては、国税で3兆円、地方を含めて5兆円という潤沢さを誇った道路関係予算。ガソリン税を主な財源とした道路特定財源は、使途を道路整備に限定して建設を促進。日本の成長を支え、道路を津々浦々へ広げる優れた仕組みだった。

だが、使い切れない財源を職員宿舎の建設やタクシーチケットなどに流用する事態が発覚。批判にあらがい切れず、2008年12月にガソリン税はほかにも使用できるよう一般財源化された。その結果、09年度以降、政府の道路予算は1兆円台に縮減された。

それから12年が経った20年度に、道路関係予算は久々に2兆円台に復活した。その理由は、手が回らなかった地方道路の老朽化対策のためだ。

昨年12月17日、予算案の閣議決定目前に財務省と各省間で恒例の大臣折衝が行われた。赤羽一嘉国土交通相がわずか8分間の折衝の中で麻生太郎財務相に申し入れたのは、橋梁の老朽化対策にかかる個別補助制度だった。折衝後の会見で赤羽氏は「事後保全から予防保全に切り替えることで、費用のロスを小さくすることができる」と強調した。

橋梁やトンネルの修繕に当たって、問題が生じた後に対応するのが事後保全、問題が生じる前に計画的に対応するのが予防保全だ。国交省は所管する道路や河川、ダムなど12分野を予防保全に切り替えることで、事後保全より約2割費用を抑制できると推計する。