阪神・淡路大震災の火災現場。電気器具からの出火が多発、火災につながった(時事)

災害時に最も注意すべきことは、電気に起因する火災だ。

内閣府・中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループ(WG)の報告書では最大約2万3000人の死亡が想定されている。うち約1万6000人が地震火災による死者だ。複数地点の同時出火や火災旋風で多くの被害が出るおそれがある。とりわけ懸念されるのが電気に起因する火災。下図にあるように1995年の阪神・淡路大震災では、出火原因が判明している火災のうち電気に起因する火災が、6割以上を占めている。電気ストーブの熱で雑誌類に着火したり、電気コンロの熱で家具類が燃えたりした。

火災による被害を少なくするうえで有効だとされている対策の1つが、大きな揺れを感知した場合に電力の供給を自動的に遮断する「感震ブレーカー」を各家庭に設置すること。前出の報告書には、「感震ブレーカー等の100%配備の方策の検討を進め、早急に実施すべきである」と記されている。

感震ブレーカーの有効性

大地震時には、電気ストーブが転倒したり、家庭内の配線が損傷したりすることが多い。それに気がつかないまま、停電から復旧すると、電気火災につながるケースがある。感震ブレーカーが働いていれば、そうした火災を防ぐことができる。

その効果に期待して、各自治体は感震ブレーカーの普及に取り組む。横浜市は指定した住宅密集地域を対象に、感震ブレーカーの購入費用を補助する取り組みを進めている。2019年度は、対象に含まれる地域の町内会で申し込めば、設置費用の5割が補助される。