レバノンからはこのところ気のめいるニュースばかり聞こえてくる。経済の混迷が深まり、首都ベイルートなどでは反政府デモが激化。政治、経済、社会を覆う危機は外貨不足に発展し、小麦、医薬品、燃料といった生活必需品の輸入を難しくしている。銀行の融資引き締めはかつてないレベルに達し、失業が増加、賃金は大きく低下した(編集部注:日産自動車元会長のゴーン被告が日本から逃亡した先が、このレバノンだ)。

外部から見る限り、問題を切り抜ける方法は1つしかない。レバノンが自ら政治的な危機を解消し、遅ればせながらも必要な経済改革を断行することだ。2018年にパリで行われた「レバノン経済復興支援会議」で欧州各国や世界銀行などは総額110億ドル(約1.2兆円)の支援を誓約した。が、これはレバノンが一連の改革を行うことが条件だ。支援者側は先日も、こうした立場を念押ししている。支援の条件はおおむね妥当で、デモ隊の要求と重なる項目も少なくない。支援を得るためにレバノンはまず、まともに機能する内閣を樹立し、政府機能が回復したことを世界に示さなくてはならない。