今年で最後となった大学入試センター試験に代わり、2021年から大学入学共通テストが始まる。英語では当初、民間試験が導入され、高3での2回までの試験結果が評価対象になる予定だったが、試験会場の少ない地方の受験者や、費用のかかる民間試験の複数回受験で不利となる低所得層から「不公平だ」と指摘された。これに対し、萩生田光一文部科学相は昨年10月、「身の丈に合わせて頑張ってほしい」と発言したため、抗議が殺到して謝罪と民間試験導入の撤回に追い込まれた。

このドタバタ劇を見て改めて思うのは、国民の公平性に対する感情は、いつの時代でも政治や社会を動かす源になるということだ。

もちろん、不公平といっても人々は生活のすべてでそれを拒否するわけではない。腕時計や高級自動車など、周囲の視線を意識して行う消費行動を、米国の経済学者ヴェブレンは「顕示的消費」と呼んだが、今や富裕層に限らず、一般の人も行うものだ。そうした消費に差があっても国民は許容する。